悪魔と天使と快楽主義者

管理者:みやちん◆天使のザワメキ 悪魔のササヤキ

ジャック

ジャック・マクダネル



一章



「ジャック・ザ・メイジャー」
国連軍オダワラ基地独立機甲遊撃隊隊長ジャック・マクダネル少佐は基地内部に作られた下田大トンネルのモック・アップ(原寸大模型)で侵入作戦の訓練を指揮していた。
しかし、それは堅牢な砦のようなもので、成果はなかなかあがらない。
もともと、この作戦に批判的なジャックはいらついていた。


「司令官室での睨みあい」
エヴァンス大佐の待つ司令官室に出向いたジャックは、イルマ基地の新任司令官であり事実上の対UG戦の最高指揮官でもあるキャンディス・パーカー大佐と対面する。
パーカーは侵入作戦訓練の成果があがらない事を批判する。
ジャックは作戦自体の愚劣さを叫び、二人は正面から対立した。


「意外な作戦中止」
ジャックはどんな作戦でも価値があるなら、たとえ可能性が1%しかなくてもやる。だがこの作戦は部下をただ無駄死にさせるだけの無意味な作戦だと力説する。
パーカーはそれを聞き、あっさりと中止を決定した。驚き呆けるジャック。
なんとパーカーはこの作戦に関する決定権を持っていたのだ。


「それでも殺さねば」
ビッグ・マウス作戦中止が決定された翌日、通常の哨戒任務に出たジャック隊は7人ほどのUG兵に遭遇する。
すぐさま戦闘行動に出たジャックだが、その中にほんの子供のようなUG兵を発見する。
そのあまりの若さに逡巡するジャック。
まだ何もしらないヒヨッコかもしれない。しかし……。


「その日が来た」
ビッグ・マウス侵入作戦の当日。腹をくくったジャックは気力を奮い起こし、部下たちに檄を飛ばす。
最も訓練の結果が良かったルートで進攻を開始する戦車隊。
しかし、攻めこまれたUG側は橋を落とすという作戦に出る。
意表を突かれたジャックは……。


「戦車乗りの意地」
ジャックは咄嗟の閃きで最大の難関であったD砲台を破壊し、見事に突破口を開いた。
そのまま作戦続行を指示するジャック。
しかしUGの攻撃は凄まじく、ついにジャックは撤退を叫ぶ。
査問会で作戦失敗の責任を問われたジャックは怒りを抑え無言でそれを受け入れる。


「突然の訪問者」
イルマ基地の新任司令官パーカー大佐がオダワラ基地を訪れる。ジャックは顔合わせで力関係を優位に保とうと口論になる。
そこに突然警報が鳴り響いた。基地に侵入者があったというのだ。
極秘事項のビッグ・マウス作戦が外部に漏れては大変な事になる。ジャックは部屋を飛び出し、パーカーもそれに続いた。


「現れたのは、少年
侵入者は武器庫に飛び込み、中に閉じこもった。出入り口は一つしかない、突入を避けたジャックはドアの前でゆっくりと待つ。
やがて、ドアがゆっくりと開かれる。
同時にジャックはドアノブを強く引いた。
そこから飛び出してきた侵入者にジャックは目を丸くした。
なんとブレザーを着た少年だった……。


「謎の、少年」
サカキ・サトルと名乗った日本人少年の取り調べを行うジャックだが、どうにも不可解な事ばかりだった。スパイとは到底思えない。
もしこれが完璧に練り込まれた作戦で少年の態度も演技ならば賞賛に値するとも考えた。
しかし、真夜中またしても警報が鳴り響き、爆発による火災が起きたという。


「少年の死と英断
基地に潜入していたらしいUG兵の手引きで逃走したと見られるサカキ・サトルは射殺され、じきに工作員も処理された。
とりあえずは安堵したジャックだが年端も行かない少年を殺したことにかすかな胸の痛みを感じる。
そしてビッグ・マウス作戦の漏洩を案じたパーカーから作戦中止の決定が出された。


「してやられた!」
オダワラ基地内で次々と起こる爆発。基地内は完全にパニックとなっていた。ジャックはいいようにやられている事に歯がみする。
そして工作員とサカキ・サトルは基地の外へと逃亡した。
翌日、イルマ基地においてビッグ・マウス作戦の中止が決定された。本来なら喜ぶべき事だが、ジャックは部屋で酒を呷る。


「一瞬の閃き」
UGに橋を落とされたジャックは一瞬の閃きで最も困難なルートで進む。
そこには砲台に破壊された戦車が転がっていたが、ジャックはそれに乗り上げ、通常では射撃不可能な位置にある砲台を破壊。ルートを切り開く。
後は歩兵での戦いになるが、UGの攻撃は凄まじい。ジャックは決断を迫られるが……。



二章



軍人として」
パーカーに呼び出されたジャックは、ワカマツ・コンサートを前にして、事前のスラム掃討作戦を言い渡される。しかし無差別の掃討作戦と聞いて、ジャックは声を荒げた。
そんな命令は受け入れられない。
だが苦しい立場のパーカーの事を思い、渋々承諾する。
行き先を選んでいいと言われるが……。


「トコロザワの暴動」
トコロザワの民間居住区のフェンス周りには既に相当数のスラム住人が集まっていた。
できるだけ刺激するのを避けていたジャックだが、カナダ隊が違う場所で無差別掃討を行ったため、ついに暴動が起き始める。
武装民は殺したくない。
しかしますます膨れ上がる暴動の規模にジャックは……。


「流された血」
防戦に努めできるだけ殺さないようにしていたジャックだが、現れたUGの攻撃でフェンスが壊れ、ついに暴徒が居住区に流れ込んでいった。
見境なく流されていく血に、ジャックたちはもはやなす術がなく、ただひたすら殺していくしかなかった。自ら招いた結果に一人酒を浴びるように飲むジャックだった。


「主砲を使え」
集まったスラムの住民達の暴動は激しさを増し、もはや抑えられる状況ではなかった。
ジャックは仕方なく主砲発射を許可する。
本来は人などを撃つべきものではない主砲。しかも相手は兵士ではなく、非武装の人間もいる。
飛び散る無残な肉体や血を目の当たりにするジャックは……。


「あれは、なんだ?!」
スラム掃討作戦でヒビヤ・スラムへ向かう途中、見慣れない戦車アニヒレーターが合流する。訝るジャックを尻目に同乗していたパーカーはウォーケン将軍と連絡を取る。
スラム住人から攻撃を受け始め、パーカーはアニヒレーターの使用を命令。
ジャックはわけのわからないものを使うのを拒否するが……。


「俺の目の黒いうちは」
スラム住民からの攻撃が激しくなる中、パーカーはアニヒレーターはBC兵器を積んでいると言う。再度の使用命令にジャックはそんなものは絶対に使わないと断固拒否。
戦車隊のフォーメーションを見事に操り、UGを退け、非武装民の血は一切流さずに見事に暴動を鎮圧する。


「苦渋の決断」
ジャックはアニヒレーターの使用を拒否して戦うが、素人であるスラム住人の動きにフォーメーションが分断される。UGの攻撃で次々と戦車がやられこのままでは全滅の恐れもある。ジャックは仕方なくアニヒレーターを使うが、まさに地獄絵図だった。あっという間に全ての人間がガスで死んでいったのだ。


悪魔の兵器を眠らせろ」
エクスハーローガスが非武装民も含めた全ての人間の命を奪うのを目の当たりにしたジャックとパーカー。
その夜の野営地で武装ゲリラに襲われ、悔いの念から躊躇するが撃退するジャック。
基地に戻ったジャックとパーカーはエヴァンスも交え、アニヒレーターの封印を検討し、決定する。


「裏で操る悪い奴」
アニヒレーター計画を推進するウォーケン将軍のシュゼンジ難民キャンプに同行を命ぜられたジャックは怒りを押し殺しながら従う。
そこでウォーケンとGI社、シュゼンジ難民キャンプ所長の癒着らしきものの現場を目撃し、怒りを爆発させようとするが、すんでのところでパーカーに止められる。


「同じ思いを抱く人」
トコロザワの騒乱を抑えたジャックは、そのままパーカーと共にムサシノの哨戒に出る。
途中、ふとした事からジャックの子供達の話になり、一日も早く皆が一緒に暮らせるよう戦争を終わらせたいという思いは一緒だと確認する。
そして、パーカーの父は腐敗した軍のために自殺したようなものだと聞かされる。


キャプテン・ヤエガシの影」
ムサシノ・エリアに到着したジャックは、隊を二つにわけ哨戒を始める。しかし、いつの間にか部隊の戦車が減っている。そんな事ができるのはUGでも一人しかいない。
キャプテン・ヤエガシ。ジャックは喜びさえ感じ戦闘開始するが見失う。
代わりにトンネルを発見し攻撃を加えている部隊を発見するが……。


「戦いに年齢は関係ない」
ムサシノを哨戒するジャックはUG兵を発見する。しかしそれはまだ本当に若い、まるでハイスクールの生徒のようなUG兵だった。
ジャックは若者の命などもちろん奪いたくない。
しかし、殺さなければ殺られる。戦争とはそういうものだ。ジャックは主砲発射用意の号令をかけて……。



三章



「真夜中の電話
深夜の電話に胸騒ぎを覚えながら、ジャックは受話器を取る。妻ダイアンからの電話は、息子ニッキーが爆弾テロに巻き込まれ重傷を負ったというものだった。
すぐにでも帰りたい。しかしジャックにはワカマツ・コンサートでUGとの共同警備という大仕事が待っていた。
一人頭を抱えるジャック。


「ウォーケン将軍の行動」
ワカマツ・コンサートの日。ウォーケン将軍がこれみよがしに記者団を引き連れ現れる。
ジャックはあからさまにウォーケンに嫌みな態度を見せる。
そして興奮し始めた群衆の中からゴミが投げ入れられ、空き缶の一つがウォーケンの額に当たる。
怒ったウォーケンはピストルを抜き……。


「ジャックの思い」
いよいよワカマツコンサートが始まろうとしている。
群衆というのはどんな些細なことがきっかけになって動き出すかわからない。
ジャックは部下たちに気を抜かないよう指示を出す。
そしてコンサートが始まり、ジャックはワカマツの独特の曲調にふと思いを馳せる。


「そして次は」
ワカマツ・コンサートは何事もなく無事に終了する。
安堵の溜め息をつくジャックの脳裏に浮かぶのはニッキーの事だった。
休暇をとって帰ろうと考えた矢先、UGの超電導技術輸送作戦が始まりそうだとエヴァンスに告げられる。
帰れない。ジャックは静かに溜め息をつく。


「ウォーケン将軍の陰謀
ジャックはニッキーのために帰国の途についた。イルマ基地から出発する飛行機の中、旧友である陸軍情報部ホールデン大尉に偶然出会い、そこでとんでもない話を聞かされる。
あのウォーケンはシュゼンジ難民キャンプの難民をエクスハーローガスの人体実験の材料にすると。
例えようのない怒りにジャックは……。


「二人の軍人
ジャックは会議の後パーカーと二人で飲みに出かけた。そこでパーカーから軍人として尊敬していると告げられる。
ジャックもまたパーカーの意志の強さは尊敬に値すると思う。
互いを理解しあった二人は、笑みを浮かべ静かにグラスをたかむけた。


「殴るジャック」
ウォーケン将軍がピストルを構えたのを見たジャックは迷うことなく、戦車によじ登りウォーケンを殴りつける。
そのはずみで戦車から転がり落ちたウォーケンは、ジャックと駆けつけたパーカーに、怒号と捨て台詞を残して去る。
ジャックの行為には、観客から拍手が送られた。


「抱くジャック」
ウォーケン将軍が群衆に向けて発砲。
ジャックは部下に命じてウォーケンを拘束する。若い女性が肩にその銃弾を受けたようですぐにジャックは手当てを命じる。
しかし恋人らしい男がナイフを手にジャックに突っ込んでくる。ジャックはそれを全身で受け止め、傷を負いながらも必死で下がるよう説得する。



四章



「脅威のモンスター
UGの超電導素材輸送作戦を阻止するべく、ジャックは戦車隊を引き連れて、シコクへ飛ぶ。
何十台もの戦車を運ぶのは新たに開発された通称“モンスター”。常識では考えられないほどに巨大な輸送機。
ジャックの号令一下、次々と戦車が輸送機に乗り込む。


「降りるのか?」
コウチ港上空。UGの進攻を阻止しようとパラシュートで降下し始めた戦車隊が次々と撃ち落される。驚くジャックとパーカー。
UGの新兵器レールガンが不思議な閃光を発しているのだ。
業を煮やしたジャックは自分も戦車で降りようとするが……。


「今が、死ぬときだ」
モンスターが被弾しこれ以上もたない。
ジャックは総員退避を命じ、グレート・タスマニア号への特攻を決意する。泣きながらそれを止めようとするパーカー。
しかし、ジャックの決意は固かった。今ここでやらなければ一生後悔する。
ジャックはパーカーに家族への伝言を託し、操縦桿を握る。


「後に遺すもの」
ジャックは眼下で戦闘を続けるポールに命令を出す。モンスターをグレート・タスマニア号にぶつけるチャンスを作れと。
ポールは悲しみを堪えジャックばりの怒号で命令を出す。
それを聞き、ジャックは笑みを浮かべた。
後はポールとモーガンに全てを託そう。
ジャックは一直線に目標に向かった……。


オールド・トウキョウでの激戦」
オールド・トウキョウで何かがあると判断して残ったジャックは正しかった。UGの一斉蜂起が始まったのだ。
ジャック達は今まで見たこともない大勢のUG兵に圧倒される。
ポールがトンネルの出口になっているビルを発見し、ジャックはそこへの突撃を決意。
しかし、先頭を誰にするか……。


「正面衝突」
残ったモーガン車とともに突っ込んでいくジャック。しかしそこにUGのグレネードが迫る。咄嗟にジャックは主砲を発射する。
空中で衝突した砲弾が爆発を起こすが、ジャック車は爆風で横転、モーガン車も動けず照準も狂う。
ここで撃つしかない。最後の望みをかけてジャックはモーガンに指示を出す……。


「戻ってくれ」
ウォーケンの陰謀を知ったジャックは飛行機のコックピットへ行き銃を抜く。
今すぐに、子供達の未来を救うためにイルマへ戻れと。元軍人の機長はジャックの眼を見つめ頷く。
シュゼンジに着いたジャックは既にアニヒレーターがスタンバイしているのを見る。
咄嗟にジャックは……。


「もう後戻りはできない」
強引に突破しようとするジャックにMPたちが迫る。知った顔もいる。知らなくとも同じ軍の仲間。だが目的のためには仕方ない。
ジャックは胸をかきむしられる思いで彼らを倒し、アニヒレーターを奪う。
そして、人気のない森で自爆装置のスイッチを入れた。


「パーカーとの別れ」
ジャックは二台目のアニヒレーターが置いてあるイルマ基地へ侵入した。格納庫へ近づいた時、パーカーが現れる。パーカーは自分が泥をかぶるべきだったと言い、ジャックに格納庫と自爆装置の鍵を渡す。
爆破させ、自分の使命を終えたジャックはパーカーに後を託す。
二度とこんなものが生まれないようにと。


「父の背中」
逃亡者となったジャックはポールの機転でなんとか故郷に帰り、ニッキーのいる病院に辿り着いた。追っ手が待っていたが、わずかな時間を与えられる。
ニッキーの病室で真実を告げ、必ず帰るから強く生きろとニッキーに伝えるジャック。
強く頷いたニッキーに、ジャックは背中を向け別れを告げる。


「最後の我儘」
アニヒレーターを破壊したジャックは、自分は為すべきことをしたと感じる。腐った人間はいずれパーカーがなんとかしてくれる。
犯罪者となったからには罪を償うが、その前に家族に会いたいとジャックは思う。
きちんと話しておきたい。なぜ、自分がこんなことをしたか、会って話したいと願う。


「戦車のないジャック」
UGのオールド・トウキョウ一斉蜂起によって、国連軍は混乱をきたしていた。
急遽かけつけたジャックも戦闘の中、自分の車両を失い、ジープで一人ヒビヤ・スラムを目指していた。
しかし迫撃砲でそのジープも失い、残されたショットガンとガバメントだけを頼りに歩き出す。


「なぜここで戦うのか」
歩き続けるジャックは信じられない人物に出会う。キャプテン・ヤエガシ。敬愛してやまない軍人であり、そして最大の敵。
笑みを交わしあった二人は、戦闘を始める。
ジャックは悩み続ける。自分はキャプテン・ヤエガシを殺せるのか?
キャプテン・ヤエガシは戦車のない自分に手加減をするんじゃないか?


「最後の咆哮」
ジャックは地面に転がり、ヤエガシに銃を突きつけられる。ジャックも同じようにするが弾は入っていない。
死にたくはない、しかし降伏などできない。
戦いの中で情けなどかけてもらいたくない。
ましてや相手はキャプテン・ヤエガシだ。
ジャックは吠えた。
ヤエガシに向かって。


「UGの新兵か」
一人オールド・トウキョウの廃墟の街を歩くジャックは若いUG兵を発見する。初陣なのか緊張しているのを見て取ったジャック。
しかしどれほど若くともUG兵はその実力を発揮し、ジャックは闘志が燃え上がるのを感じた。


「生き延びろ」
若いUG兵は善戦はしたものの、ジャックの老獪さにやられ負傷し地面に転がる。すかさず近づきジャックは銃口を向ける。脅えた眼でジャックを見る兵士に投降を勧める。無駄死にするのは愚かな行為だと。
しかし、若きUG兵はピストルをジャックに向ける……。


「若きUG兵」
オールド・トウキョウの廃ビルの谷間を行くジャックは、ふと気配を感じた。
それは若いUG兵、サカキだった。
互いに瓦礫に身を隠しながら機をうかがう。
しかしなぜかジャックは撃つチャンスがありながら躊躇ってしまった。


「相手の力を」
若きUG兵サカキは、ジャックに未知の武器を撃ってくる。
コンクリートを一瞬にして破壊するその銃の威力に驚きながら、ジャックは逆にそれを利用しようと考えた。
計算しながら逃げるジャック。
サカキの撃つ弾は廃ビルの柱を次々に壊していく。そしてついにビルが崩れ始めた。


「廃ビルの中での攻防」
サカキと出会ったジャックは、廃ビルの中へと入る。
サカキの動きはいい。頭を使って戦わなければ負けるとジャックは感じる。
一進一退の攻防が続き、ついに正面からサカキと向き合う。その眼に何か不思議なものを感じたジャックだったが次の瞬間、砲弾の音が響き、ビルが崩れた。


「ここは、どこだ?!」
気がついたとき、ジャックは不思議な世界にいた。まるでニューヨークかどこかの都会のようだが、歩いているのは皆、日本人。
しかしジャックの知っている日本人ではなかった。
混乱しながらもサカキを発見し、追いかけて銃を向けたが……。


「中年のUG兵」
オールド・トウキョウの廃墟を歩くジャックは、前方にUG兵を発見する。
それはオダギリだったが、もちろんジャックはその名前を知らない。
若くはない。自分と同じぐらいだと感じ、攻撃するがオダギリは一発も撃たずに廃ビルの中へ消えた。
ジャックはどうするか考えたが……。


「若き兵士達の輝き」
廃ビルの中でオダギリと攻防を続けるジャック。
自分の肉体の衰えを感じながらも、必死にオダギリを追いつめるが、突然現れたUGの女性将校マツザワに撃たれ形勢は逆転する。
しかしなぜか二人はそのまま去っていった。
バカにされたように思うジャックの眼にUGの大部隊が飛び込んでくる。


「俺の名を呼んでみろ!」
モーガン車の放った砲弾は見事に命中し、トンネルの出口を破壊した。UG兵も撤退を始め、その場での戦闘には勝利した。
しかし、それはこの場だけの事。一刻も早く新しい戦車に乗り込み再び戦いに出なくてはならない。
ジープを借りジャックは無線に怒鳴る。また身体に気力がみなぎるのがわかった。