五分後の世界
サカキ・サトル 一章 「その世界へ」 サカキ・サトルは、森の中にいた。まったく経験したことのない異質なものを感じる森の中に。 なぜ自分がそこにいるのか、そこがいったいどこなのか、まるでわからないまま。 さらにあろうことか正体不明のヘリコプターに…
ヤエガシ・カツナリ 一章 「潜入任務へ向かう男」 ヒビヤ・スラムへの潜入任務へ向かう途中、ヤエガシ・カツナリ大尉はタヤマ隊の戦闘に遭遇し、ナカジマ曹長と共に手助けを行う。 ヤエガシは若い兵と辺りの哨戒に出た。 前方からはキャタピラの音が聞こえた…
タケウチ・ナルミ 一章 「その男は、狙撃手」 国民軍少尉タケウチ・ナルミは哨戒訓練を控えた新兵達と一緒に射撃訓練に臨んでいた。 本来ならそんなことはあり得ない。だが、新設された特務教官としての最終調整のため、特別教務として参加していたのだ。 天…
ノーマ・アイカワ 一章 「シュゼンジ難民キャンプへ」 フリーのジャーナリスト、ノーマ・アイカワとその相棒のカメラマン、ティムは日本の“戦争”を取材にやってきた。 しかし、国連軍シュゼンジ難民キャンプの取材許可がおりない。 どうやら新聞社時代にノー…
S・コウモト・ウェラー 一章 「俺たちに名前はない」 “犬”と呼ばれるスティーブン・コウモト・ウェラーは“穴”“冬”“指”と共に、ヒビヤ・スラムを根城にしているギャング、ギンザ団のトラックを襲撃した。 どこからか食料を運んでいるギンザ団は、コウモト達…
ケイト・マイヤー 一章 「私の名はケイト・マイヤー」 15歳の天才ケイト・マイヤーは唯一の友人であるマシュー・バーグマンからのメールを受け取る。 その直後、彼が第五世代情報暗号プログラム“ガルム”を凍結し失踪したと知らされた。 メールに隠された暗…
ジャック・マクダネル 一章 「ジャック・ザ・メイジャー」 国連軍オダワラ基地独立機甲遊撃隊隊長ジャック・マクダネル少佐は基地内部に作られた下田大トンネルのモック・アップ(原寸大模型)で侵入作戦の訓練を指揮していた。 しかし、それは堅牢な砦のよ…
ヒストリカル・ファクト・シンボル “ガルム”漏洩事件 ラズテック・ラボラトリィ所長 リチャード・バークレー まさか、あの小僧がこんなに早く行動を起こしていたとは思わなかった。 温室育ちでも小僧の方は少なくとも世間知らずではなかったということか。 …